ベーチェット病発覚の経緯④
激痛と下痢で眠れないまま朝になりました。
おたふく風邪のときの倍ほどに顔は腫れていました。
顔色もどす黒く、数日前と同じ人間とは思えないような見た目になっていました。
私は母に、
「救急車を呼んで・・・」
とやっと出る声で頼みました。
しかし母は、救急車を呼んでも先日の救急と同じでしっかりと診てもらえないのではないか、それなら自分が運転して総合病院に連れて行った方がちゃんと診てもらえるのではないか、と悩みに悩んでいました。
私も何が正解なのかわからないまま、とにかくこの痛みをどうにかしてくれという気持ちのみでした。
そして私は、最終手段に出ました。
職場の保護者の方で総合病院の皮膚科の先生がいることは知っていましたが、プライベートと仕事を混ぜてはいけないと思い込みがあり、今までは自分で対処をしようとしてきました。
しかしもう限界でした。
上司に電話し、事の経緯を話し腫れた顔の写真を送り、その保護者の方に連絡を取ってほしいと頼んだのです。
上司はすぐに連絡を取り、私たちの間に入ってくださいました。
その保護者の方は私の写真を見てすぐに、
「これはいけない、すぐに入院してください。今すぐ病院にきて私の名前を受付に言ってください」
と言ってくださいました。
やっと助かった・・・
もう楽になれる・・・
私は安心感に包まれながら、母に運転してもらいすぐに病院に向かいました。
病院に着いたころにはもう歩けないほどになっており、車椅子で移動しました。
先生の紹介があったためか、比較的すぐに皮膚科の検査室に通してもらえ、数人の先生方に診てもらうことができました。
その内の一人の(私と同い年だった)女医さんが突然、
「これ・・・もしかしたらベーチェットかも。。
前の病院で見た患者と似た症状かもしれない」
とつぶやきました。
先生方も、「え、ベーチェット?」とざわざわ。
そこから外陰部や鼻の横、耳の細胞を切り取り(麻酔してもらっていたけど激痛でした涙)、検査に出し、色々診てもらいました。
安心感か、痛みのせいか、その頃の記憶はあまりありません。
その後父と母と一緒に呼ばれ、先生から説明を受けました。
「今検査中ですが、娘さんはベーチェット病の可能性が非常に高いです。
ベーチェット病とは国の指定難病で、原因不明の病気です。
今症状が出ている皮膚炎症や外陰部潰瘍だけでなく、視力が失われる可能性もありますし、血便や嘔吐があるとのことで消化器官も炎症がある可能性が非常に高いです。
でも今の症状を抑える薬もあります!
このまま入院し、検査を続けてるとともに投薬を開始しましょう。」
え…ベーチェット病?難病?なにそれ?
私一生治らないの?
眼が見えなくなるかもしれないの?
結婚できないの?子供も授かることができないの?
え、ほんとどういうこと?
私の頭は真っ白になりました。
親も同じような衝撃を受けていたと思いますが、私の前だからかとても冷静でした。
私の様子を見た先生から一つアドバイスがありました。
「インターネットでベーチェット病のことは調べない方が良いよ。
ネット上では大げさに言われていることも多いし、人によって症状や経過は全然違うからね。
病気については私たちがしっかりと伝えるから、こちらを信じて。」
私はそのまま入院になりました。
コロナ禍なので、親も付き添いで病室にくることはできませんでした。
荷物だけあとで持ってきてもらうことになり、入院手続等をお願いしました。
私は病室に入ってすぐに痛み止めの点滴の投与が始まりましたが、すでに夕方だったので詳しい検査にいくのは翌日からになりました。
痛み止めの点滴が効いてないと看護師さんに毎回伝えるも、これ以上は今は入れられないとの回答で、また長い夜が始まりました。
→⑤へ続く